こんにちは!山形県庄内地方、酒田市鶴岡市の税理士です!
昨日は午前中かなり天気が荒れて大変でしたが、今日は晴れて穏やかな天気になっているみたいですね
お昼にちょっと出かける用事があるのでこのままの天気が続いてほしいです♪
では今回は、個人事業主がクレジットカードで買物したときの仕訳(処理)方法について解説していきたいと思います。なんだか難しそうに感じている人もいるのですがメチャクチャ簡単ですので是非参考にしてくださいね!
個人事業主のクレジットカード処理は大まかに分けると2種類

センセイ!今回は個人事業主さんのクレジットカードの処理の話ですね?

そうです、今は現金で買うよりもネットでクレカ決済!って人が多いですからね♪
そんなわけで必要不可欠となったクレジットカードですが、その処理について個人事業主さんから

クレジットカードって結局どうやって仕訳(処理)すればいいのかがわからないんですよね…
という声をいただきますので、まずは簿記の教科書でも出てくるような「建前上のちゃんとした仕訳方法」と、実践的な「簡単な仕訳方法」の2つをお教えしますね!

へぇ、建前上と実践上なんてあるんですね

車の速度もそうですよね?建前上の制限速度はありますけど、実際はそれを守っているひとは…

センセイがそれ以上いうとヤバいのでそこまでで大丈夫です、よく分かりました笑
では次からそれぞれの方法について詳しく見ていきましょう!
といってもそんなに違いは無いですし、どっちも難しくないのでサラッと読んでみてください
個人事業主のクレカ仕訳方法① ちゃんと全部仕訳する
まず最初は簿記でもやるような、丁寧なやり方について見ていきます。こちらに関して一言でいうと、
という方法になります。具体的にこんな感じにクレジットカードを使用していたとしましょう
ちなみに今回は話をわかりやすくするために「カードは月末締めの翌月末支払い、という条件だったとしましょう」
1月15日 | ロレックスの時計を購入(プライベート) | 650,000円 |
1月17日 | 事業上の光熱費を支払い | 100,000円 |
1月18日 | 事業上の消耗品を支払い | 20,000円 |
1月20日 | 飲み屋で飲食(プライベート) | 50,000円 |
1月25日 | 事業上の雑費を支払い | 89,000円 |
1月30日 | 彼女にアクセサリー購入(プライベート) | 60,000円 |

いやぁ派手にお金を使っていますねぇ

買ったロレックスを見せびらかしに飲み屋さんに行ったんでしょうね笑

そういうのは人に自慢してナンボですからね…っと話が脱線してしまいました
クレカちゃんと仕訳手順① プライベートは伝家の宝刀「事業主」を使う
では、ちゃんと仕訳する方法だとクレジットカードの「全ての」取引について仕訳をしていくので、基本的には上から順番に全部仕訳をしていけばいいわけです
なのでまずは「プライベートな支払い(ロレックス)をカードで決済した」という取引をどうやって記録するかですが、カードで決済した場合には「未払金」という科目を使用します
これは字を見てもらえれば意味がわかると思うのですが、「まだ払っていないお金」ということです。つまりカードで買ったときってその時はお金を払ってないつまりツケの状態になっていますね?
ある意味借金みたいなものなので、その借金のようなものが増えた場合には仕訳の右側に書く、というルールがあります
なので、その部分だけ仕訳にすると
??? | ??? | 未払金 | 650,000 |
ここまではプライベートなものを買っても事業用のものを買っても同じなので、
クレジットカードで買い物したら右側は未払金!
と覚えてもらってもいいですね♪
あとは、プライベートで買った場合には超便利な科目「事業主」を使えばあっという間に解決です
「事業主」には「事業主貸」と「事業主借」の2種類がありますが使い分けとしては
- 仕訳の左側に来るときは事業主貸
- 仕訳の右側に来るときは事業主借
と単にこれだけの使い分けです、あんまり考えると頭が混乱しますのでこれは機械的に覚えておくか、壁に「左は事業主貸、右は事業主借」といった感じでメモしておくといいと思います
なので今回の仕訳の場合には、左側に事業主が来るので事業主貸を使えばよくて
事業主貸 | 650,000 | 未払金 | 650,000 |
はい、これで完成ですめちゃ簡単ですね
クレカちゃんと仕訳手順② 事業用のものは対応した科目で仕訳
次はプライベートではなくて、事業用のものを購入した場合ですね。これも簡単です
なにか経費を払ったら左側を経費の科目にして、右側はさっき説明したように未払金をつかう、それだけです。なので1月17日の仕分けがどうなるかというと
水道光熱費 | 100,000 | 未払金 | 100,000 |
ね、めちゃ簡単でしょう
クレカちゃんと仕訳手順③ 口座から引き落とされた時
あとはさっきの要領で1月の取引を全て仕訳してみると、こんな感じになりますね
1月15日 | 事業主貸 | 650,000 | 未払金 | 650,000 |
1月17日 | 水道光熱費 | 100,000 | 未払金 | 100,000 |
1月18日 | 消耗品費 | 20,000 | 未払金 | 20,000 |
1月20日 | 事業主貸 | 50,000 | 未払金 | 50,000 |
1月25日 | 雑費 | 89,000 | 未払金 | 89,000 |
1月30日 | 事業主貸 | 60,000 | 未払金 | 60,000 |
つまり1ヶ月でカードでお買い物した金額の合計=1ヶ月で増えた未払金の合計ということになりますね
この増えたぶんの未払金は翌月つまり2月の末に銀行口座から引き落とされるわけですので、その引き落とされたときには「未払金が無くなる」仕訳をすればいいわけですね
仕訳にすると
未払金 | 969,000 | 普通預金 | 969,000 |
こうやってやることで、1月で発生した未払金(969,000円)が無くなり、その代わりに預金の残高も969,000無くなる(減少する)ということで正しい処理になります
クレカちゃんと仕訳のメリット
このちゃんとしたクレジットカードの仕訳処理ですがメリットとしては「間違えた金額を入力したときに気が付きやすい」というものがあります
具体的にさっきの例で考えてみると、例えば1月17日の水道光熱費の支払金額を98,000円と入力してしまったとします。すると1月の未払金の合計はさっきより2,000円減ってしまうことになりますので、967,000円になりますね?
で、実際に2月末になって引き落とされる金額は正確な金額である969,000円なので、この時点で何かが2,000円ズレている!ということに気がつけるわけです
そんなの当たり前じゃん!と思うかもしれませんが、もう一つの簡単な方法でやってしまうとこの気付きができなくなります
クレカちゃんと仕訳のデメリット 面倒くさい&プライベートも見られる
逆にちゃんと仕訳のデメリットとしては、全部を入力するわけなのでその分手間がかかりますよね。ただ最近の会計ソフトだとカードと連動させれば自動で読み込みしてくれる機能があるので(最初に度の支払いが何費になるのか、などの設定はしないといけない)、このデメリットについてはそこまで感じなくてもいいかもしれません。
あとは、カードでよくプライベートなものも購入している場合にはそのデータも全部入力しないといけないので、それが嫌だ!ということもあるかもしれません
でもこれに関しても、プライベートで使ったものなら単に事業主貸にするだけでよくて、適用に「ロレックス購入」などと書かなくてもいいのでそんなに気にすることでもないのです。もちろんプライベートで買ったものの領収書を取っておく必要もありません
なので、デメリットはあるようで無いので、基本的にはこの方法が良いかなと思います
この方法をやると、「未払金を合わせる」という簿記的な面白さに気がつくというメリットもあると思います
事業主のクレジットカード仕訳 最後に
というわけで本当なら今回で2つの方法両方を紹介する予定だったのですが、文字数が増えてきてしまったのでもう一つについては次の記事にしたいと思います。今回のちゃんとした方法のまとめとしては
- クレジットカードを使用したら、それが事業であれプライベートであれ全て記録(未払金)する
- プライベートで使ったときは事業主貸が大活躍する
- 引き落とされたときは未払金の減少とする
- 仕訳自体は手で入力しなくてもクレジットカードと会計ソフトを連携させるとある程度自動でやってくれる
と、こんな感じでしょうか
まずはこの方法が基本になりますので、しっかり理解して次回のもう一つの方法の記事をお待ち下さい
今回は最後まで読んでいただき本当にありがとうございます!