これで基本はOK!お給料を払うときの基本的な計算・処理方法を解説!

税金

こんにちは~山形県酒田市のひとりの税理士です!
いや~今週からバイトを週2にしたわけですが、今日が今週の初日でした
さすがに昨日の夜あたりからあまり行きたくないなぁという感じになっていたのですがしっかり行きました笑

それでは今回は、従業員さんを雇っている場合には避けては通れないお給料の基本的な計算方法について解説していきたいと思いますので、これから従業員を雇おうと考えている方など確認してみてくださいね!

お給料の全体像

まず、お給料っていうと独立する前などは自分がもらう側の立場なので、あまり払う側の立場で考えることっていうのが無いと思うんですよね

お給料をもらうときってなんとなく社会保険なんかが引かれているっていうのは分かるんですが、それがどのように決まっているのかについては知らないと思います
なので、そこら辺の社会保険の金額などがどのように決まっているのかについて、基本的な流れを見ていきますので、こんな感じになっているんだぁと把握してくださいね

まずお給料の明細を思い出してもらうと、だいたい次のような形になっていると思います

お給料 ○○円
通勤手当 ○○円
支給合計 ○○〇円
厚生年金 △△円
健康保険 △△円
雇用保険 △△円
所得税(源泉) △△円
住民税 △△円
控除合計 △△△円

これを基に、主に控除する側の金額がどのように決まっていくのかについてひとつづつ確認していきましょう♪

その1 厚生年金・健康保険

ではまずは一番金額としては大きくなりがちな厚生年金と健康保険について見ていきましょう!

加入時の処理

まず従業員さんを、これらの社会保険に加入させる場合には最初に届出をする必要があります
この時の処理については、長くなってしまうので割愛しますが、今後大体どれくらいの金額のお給料をその従業員さんに払うのか、ということを役所にお知らせするのです

なんでそんなことをお知らせするのか、というとそのお給料の額によって払うべき社会保険料が決まるから、ということなんですね
当たり前といえば当たり前ですが、沢山給料をもらっている人はたくさん社会保険料を負担してくださいね~ということです

払う金額は等級によって変わる

ということで役所に提出すると、後日役所から標準報酬決定通知書というものが届きます!
こんな書類ですね

この書類で一番大事なのは赤線で囲ったところです(適用年度もそれなりに大事ですが…)
この数字というのが、社会保険料がいくらになるのかの目安になる金額、専門的に言いますと標準報酬月額というものになります

この標準報酬月額というのがどのように決まるのか、といいますと、先ほど会社側が大体従業員のお給料はこのくらい、というので申請する、と書きましたね?その金額を保険料率表というものに照らし合わせて判断します

ちょっと言葉だけだと難しいので、実際の表と具体的な数字を使ってみていきましょう!

これが社会保険料率の表です、字が細かくて老眼の人は一苦労だと思います笑
ちなみに注意点として

  • 都道府県によって違う
  • 年によって違う

ということになっていますので、自分の会社のを確かめるときは都道府県を間違えないようにしてくださいね!
厚生年金については全国一律なので他の都道府県の物を参考にしてもぶっちゃけ大丈夫なのですが、健康保険については都道府県ごとに若干料率が違ったりします

この表の報酬月額というのが、従業員さんのお給料がこれくらいですよ~と申請した金額です
で、その報酬月額って一定の幅になっていますよね?(例えば114,000円から122,000円で分かれていますね?)

なので従業員さんのお給料を117,000円ですよ~って申請した場合には、この114,000~122,000までの範囲に入っているので、その欄の左側の等級、と標準報酬月額、というところが当てはまる、ということになります

ちょっと目に優しいように拡大した図を持ってきました笑
申請したお給料の左側の数字が大事な等級標準報酬月額、ということになります

決定通知書に書かれている金額というのはこの標準報酬月額ですので、実際はこんないちいち調べなくても書いてあるのを見ればわかる親切仕様になっています
なのでお給料が117,000円の場合には等級が8(5)、標準報酬月額は118,000円、ということになりますね!

ここでちょっと??なのは等級の()書き、でしょうか
これは()の中の数字は厚生年金の等級、()の外の数字は健康保険の等級、ということです!

両方一緒なら話が分かりやすいんですけどなぜか分かれている、ということになっています笑

いくら払うのか

ということで、従業員さんの等級と標準報酬月額がわかったらあとは金額を求めるだけです!
今度は表を右側に見てみましょう!

はい、右側の上のほうを拡大してみました
大きく分けると左側が健康保険、右側が厚生年金、ということになっていますね

健康保険については、第2号なんちゃらと2つに分かれていますよね?これはいわゆる介護保険のことです
40歳以上の従業員さんだと介護保険にも加入しないといけないため、金額が変わってくるので表が別れているということになっています

もう1つポイントとしては、それぞれ「全額」と「折半額」というのがありますね?
社会保険は聞いたことがあると思いますが、基本的に会社と従業員が半分ずつ出し合う、ということになっています

なのでこの表の折半額つまり半額を従業員さんのお給料から引いて、その従業員さんからもらった金額と会社が負担する金額を合わせた金額つまり全額を納める、という形になっているんですね!

というわけで仮に標準報酬月額が118,000円の場合には(40歳未満と仮定)

画像の赤線が交差するところなので、従業員さんからは健康保険として5,929円、厚生年金として10,797円をもらう(給料から引く)ということになるんですね♪

基本的に翌月分のお給料から引く

これで金額は分かったと思うのですが、一つ大事な点として「いつのお給料から」引くのかという問題があります

普通であれば入社した月から社会保険に加入すると思うのですが、その分の保険料をいつのお給料から引くのかということです
これは基本的には翌月分のお給料から引きます

基本的には入社した月って出勤した日が少なかったりするのであんまりお給料もらえませんよね?
そこから社会保険料をさらに引いてしまうとかわいそう、ということで次の月のお給料から引くことが一般的です
つまり、6月に入社した人なら7月にもらうお給料から引き始める、という感じですね!

会社だけ負担する子育て拠出金

これで健康保険・厚生年金は終わり!と言いたいんですけど、実はもう一つあるんです…
それは子育て拠出金~!といわれてもあまりピンときませんよね?
実はこれ、従業員さんは全く負担しなくて、完全に会社だけが負担するものなんです

恐らく毎月社会保険の納付書として上の図のようなものが届くと思うのですが、この赤で囲った部分がその子育て拠出金、ということなんですね

じゃあその金額はいくらなの?ということなんですが、これは現時点の山形県ですと

全従業員の厚生年金の標準報酬月額の合計×0.36%

ということになっています
ですので例えば標準報酬月額が118,000円の従業員1人だけの場合には118,000×0.36%=424円、これを会社が負担する、ということになります

基本的に年に一度だけ金額を決める

健康保険・社会保険の特徴として、年に一度額を決めたら毎月のお給料の額が多少変わっても保険料はかわらない

というものがあります
先ほどの例で、従業員さんのお給料を117,000円と決めて提出したら標準報酬月額は118,000円ということになりますが、これが次の月のお給料が107,000円に減少したとしても、そのまま118,000円を標準報酬月額として、それに対応した金額の保険料となります

これは毎回金額が変わるごとに変更していたら面倒でしょ?ということでこういう扱いになっています笑

実際は大幅に変更になると、保険料も変わるという制度もあるのですが今回はその話は割愛します
なので、一度報酬月額を決めたら基本的には1年間ずっと同じ、と頭に入れてくださいね

その2 雇用保険

ようやく健康保険・厚生年金について終わりました…
では次は雇用保険ですね!こちらに関しては基本的には役員さんは加入しないものなので、役員だけの場合には飛ばしてもらっても大丈夫です

雇用保険のポイントとしては

  • 健康保険・厚生年金と違いお給料が変わると金額が変わる
  • 納めるのは年1回
  • 仕事の業種によって若干率が変わる

といったところでしょうか、順番に見ていきましょうね!

雇用保険の金額の決め方

ではまずは一番大事な金額の決め方を見ていきましょう!
この時に使うのがこちらの表です!

これは、雇用保険、料率などと検索してもらうと出てくると思います
ちなみにこれも年によって変わる可能性があるので、基本的には最新版の物を使いましょう(これを見ると去年と同じですが笑)

いろいろ数字が書いてますが、基本的には太字のところだけ見れば大丈夫です
一般の事業というのが、建設とか農林水産じゃない一般的なお仕事の場合に適用される率なのですが(当たり前の説明ですね笑)
労働者が負担が3/1000、事業主つまり会社負担が6/1000と書いてますね?

これをお給料の額に掛けたものが雇用保険の金額となります

なので先ほどの健康保険なんかと一番違うのは、「標準」報酬を使うのではなく、「実際の」報酬の額を使うということなんです

なので従業員さんのお給料が115,000円ならそれに3/1000をかけた345円をお給料から引いて
お給料が120,000円ならそれに3/1000をかけた360円をお給料から引く

ということで、先ほどの健康保険などとは違う、ということがわかりますね!

納めるのは年に1回

もう一つ大きな違いとして、保険料の納め方にあります
健康保険などは基本的にその月分を次の月の末までに支払う、という形になっていますよね?

ですが、雇用保険の場合には年に1回、6月から7月までの間に払います
まぁ金額的に健康保険などよりは少額なので、毎月だと大変だから年に1回でいいよ!って感じなのかもしれませんね(若干適当)

所得税(源泉徴収)

さぁ、先が見えませんがどんどん行きますよ笑
お次は所得税、いわゆる源泉徴収ってやつですね!こちらに関しては以前の記事でお給料の源泉徴収はいくらなのか、というのを書いていましたので、そちらを参考にしてください

お給料から引かれている源泉所得税の額の出し方知りたいよね?
お給料から何気なく引かれている源泉所得税。多分ほとんどの人はなんでこの金額が引かれているのかわからずに言われるままに引かれているんだと思います。そのままでもいいんでしょうけどやっぱり自分のお給料から引かれているものはどういう計算で引かれているのか知ってみたいというのが人情だと思いますので解説いたしました

見るのが面倒な人のために優しい私が解説しますと

  • 源泉徴収税額表という表があるので、それに当てはめて金額を求める
  • 従業員さんから預かった源泉徴収の金額は基本的に次の月の10日までに納める(小さい会社で申請をしていれば年2回になる)

といったところでしょうか

こちらもどちらかというと雇用保険に似ていて、毎月のお給料の額が変わると源泉徴収の額も変わったりします(大きく変わらなければ変わらない場合もある)

住民税

はい、では最後に引かれるものとして住民税が残ってますね
ってこれだけたくさんお給料から引かれるなんでちょっとしょんぼりですよね…

住民税に関しては、毎年5月くらいに市町村から会社に、各従業員から毎月これだけ引いてね!って感じの書類が届きます
その紙に書いてある額をそのまま引きましょう

住民税については会社があれこれ自分で計算するものではなく、その紙に書いた金額を機械的に使用すればいいだけなので楽ちんですね!

これでようやくお給料から引くものたちが勢ぞろいしました、長かったですね泣
次からは、実際払ったときに「仕訳」としてはどのように処理するのがいいのか、ということを一番らくちんな方法で見ていきたいと思います!

お給料支払い時の仕訳

ではお給料を支払ったときの仕訳を見ていきましょう

給与 〇〇〇円 現金 〇〇〇〇円
交通費 〇〇〇円 法定福利費(健康保険・厚生年金) 〇〇〇円
法定福利費(雇用保険) 〇〇〇円
預り金(源泉所得税) 〇〇〇円
預り金(住民税) 〇〇〇円

これが基本形となります
ちょっと???となるポイントを見ていきますと、まずは交通費、これは非課税の通勤手当部分です
これはお給料ではないので、お給料としないで交通費なり旅費交通費で処理しましょう!

もちろん課税の通勤手当の場合にはお給料としてくださいね!

まぁこの通勤手当についてはあまり大きな論点じゃないというか若干どうでもいいのですが、今回の一番のテーマである健康保険や雇用保険の処理を見ていきましょう

ここでは法定福利費が右側に来ていますね?
簿記をかじったことがある人なら違和感があると思います、基本的に法定福利費などの費用は発生したときに左側なので、右側に来るっていうのがあまり頭にないと思うんです

現に自分も学習上の簿記しかやったことが無く会計事務所に入ってこの処理を見たときに???となりました
普通学習簿記だと、この社会保険なんかも預り金で処理するようになっています

もちろんその処理でもいいんですけど、社会保険って人の出入りがあったりするとちょいちょい金額がズレることがあるんです(本来あってはいけないんでしょうが)

それを預り金でやっているとずっとズレたまま数円残ってる、ってことが起きやすいので
とりあえず従業員さんから預かった時は法定福利費のマイナスとして処理して(右側なのでマイナスですね)、次の月に全額払ったときに全額を法定福利費とすれば、結局会社負担分だけ法定福利費つまり会社の経費になる、ってやり方なんですね

具体的に考えると、例えば従業員負担が5000円、会社負担が5010円だとします(会社負担が大きいのは子育て拠出金のため)
関係ないところは省略しますが

1、預り金で処理した場合

給料支払い時

給料 預り金(社会保険料) 5,000円

社会保険料納付時

預り金(社会保険料) 5,000円 現金
法定福利費 5,010円

となるので会社の経費としては5,010円ですよね?

2、法定福利費のマイナスで処理した場合

給料支払い時

給料 法定福利費 5,000円

社会保険料納付時

法定福利費(預かった分) 5,000円 現金
法定福利費(会社負担分) 5,010円

となるので(今回は分かりやすく納付時に2本に分けました)、結局経費になるのは
5,000+5,010-5,000で5,010円となり、預り金でやった場合と同じになりました

というわけで社会保険については法定福利費のマイナスで処理!と覚えましょう
あとは雇用保険も同じような原理なので、これも法定福利費のマイナスで大丈夫です!

ただ、健康保険などと雇用保険は払う相手が違うので、全部まとめてしまうよりは、摘要などで分けておいたほうがいいですね

法定福利費 健康保険
法定福利費 雇用保険

などといった感じに!

最後に源泉所得税と住民税ですが、こちらは素直に預り金として処理しましょう笑
これも所得税と住民税で分けておかないと、後でそれぞれいくら預かっていたかがわかりにくくなります

最後に

ということでなんと文字数が6,000を超えてしまいました笑
お給料についてはぶっちゃけ計算ソフトなんかを使えばこの辺の計算は自動でやってくれるのですが、ソフトも高いですし、そもそもの仕組みを知らないままだと本当に合っているのか不安だと思うので、ある程度知っておいたほうがいいです

会社の従業員さんの数がかなり少ないようなら手計算でやってもそれまでですので、まずはこの記事を見てどんな全体像になっているのかを確認してみてくださいね!

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